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「まったく、二人の世界入ってるよ」
ハンが呆れてマリに肩をすくめて見せた。
「でも、よかったですね」
「ああ。俺の変な気持ちにも答えが出たし」
「ハンも感じていたんですか? 嬉しさ」
姫たちの創り主がショウキを愛していたのなら、その影響が創られたものにも残っているのは頷ける範囲だろう。
それにしてもショウキとナツキは再会をかみ締めすぎである。
「すいませーん、そこのバカップル、俺たちのこと忘れんなよなー」
それを聞いて、ナツキがまた慌てて放れた。ショウキは平然としているが、ナツキは顔が真っ赤だ。
ショウキは姫たちに改めて挨拶した。
「ずっと捜していてくれてありがとう、二人とも。俺にこんなに味方がいたこと、嬉しく思う。……待たせたな。そろそろ始めようか」
マリは笑みを見せながら首を傾げた。
「何をですか?」
「決まってるだろう? 壊すんだよ」
「何を?」
今度はハンが質問した。それに対してショウキは眉根を寄せる。
「二人とも何を言っているんだ? 村だよ。村を壊すんだ。長い間待たせてすまなかったが、やっと思いを果たせる」
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