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「時々...」
「ん?」
「なんか、わかんないけど、不安になっちゃうみたい。」
「そっか...」
「ごめんな...」
「なんでユズが謝るのさ!?」
僕はギュッとユズにしがみつくように抱きつく。
「あの時、」
「うん...」
「あの時、ユズが死んじゃうんじゃないかと思ったから。」
僕の声はふいに涙声に変わる。
「馬鹿だな、俺が死ぬ訳ないじゃん?」
「けどっ!!」
「今こうして目の前にいるだろ?俺はちゃんと生きてるよ。だから、これ以上葉月苦しんでほしくないんだ...」
ユズと僕は本当は一人の筈だったけど、こうして二人でいることで安心感が生まれるのはやっぱり双子だからなのだろうか。
「ありがと、ユズ」
そっとユズの腕をギュッとする。
不思議と動機と息苦しさは収まっていた。
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