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ある日の放課後、久々にコンピュータ室に行った。
部のみんなは各々の活動していて、まばらだった。
ーーー加賀美先輩だけが居ない。
佐倉山新部長が慌ただしく仕事をしていた。
誰かのおかげでーー情報操作されていたのであろうーー僕たちのことは殆ど噂になっていなかったから、すんなりと元の日常に溶け込むことができていた。
「お?更科君久しぶりだね~。もうインフルエンザは大丈夫なのかな?」
「ハイ、お陰様で。」
僕とユズは季節外れのインフルエンザに罹ったことになっていた。
「その、いろいろありがとうございました。」
「ん?何のこと~?」
先輩はとぼけているけど、本当は知っているんだよね。
情報操作してくれたのも、恐らく風紀委員が絡んでいるんだろう。
「あの、部の仕事なんですけど...僕もう平気なので、テスト前のように戻してもらえませんか?」
何かに没頭していたかった僕はそう提案した。
「とりあえず、今月はテストの時と一緒で、図書担当でお願いしてもいいかな~?」
「はい。じゃあ、行ってきます。」
「よろしくね~!」
そうして、僕はコンピュータ室を後にした。
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