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「っ!?」
反射的にその手を振り払おうとするも、委員長は手を離さない。
とたんに、身体が震えだし、息苦しくなる。
「やっ、離して下さい!!」
「待って、落ち着いて!!」
呼吸が浅くなっっていき、どんどん動悸が酷くなる。
「やだっ、離してっ!!怖いっ!!」
その刹那ーーー
握られた手首を引っ張られ、ふわりと委員長の胸の中に入り込む。
「!?」
全身が心臓になってしまったかのように、早鐘を打つ。
身体もガクガクと震えだす。
「やっ、やだぁーーー!!」
「僕は、あいつらじゃない!!」
「っっ!!」
ギュッと目を瞑る。
「っ、ふっ.........」
「落ち着いて、ゆっくり呼吸して?」
「はっ、っ...はぁっ!」
「大丈夫、だから、だから泣かないで!!」
委員長の声は囁くように優しく耳元に響いていく。
頬に濡れた感触と水滴が伝う。
(僕、泣いてるの?)
「怖かったよね、辛かったよね....」
そっと壊れ物を扱うかのように優しく抱きすくめられる。
「っく、うん.....」
「遅くなって、守ってあげられなくてごめん!!」
「ふっ....っっ!!」
そうして、僕は委員長の腕の中で声を殺して泣いた。
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