Indigo and purple

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「何ニヤニヤしてんだよ……。」 不可解そうに俺の顔を覗き込む健吾。 きっと表情に滲み出ていたのだろう。 勝手な妄想は滑稽な程俺の気持ちを盛り上げ、想像ではあるが、僅かに綾女の胸の内を垣間見たような気がした。 「いや、何でもない。」 タンザナイト・スカイをステアし、再びグラスに口を付ける。 口の中に広がるコーラに似たフレーバー。 この味、そしてこのカクテルの名称を綾女が考案したというだけで、俺は嬉しく幸せな気持ちになっていた。
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