ヒビ割れ。 #2

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「章介」 私は何度もその名前を呼ぶ。 ひとことずつ、丁寧に。 章介の名前だけ特別な意味を持っている。 …愛しい音。 「章介」 「なに?」 「何でもない、呼びたかっただけ…」 私は何故か途端に淋しくなった。 空を掴むような感覚しかないから。 何を考えているかわからない私は、彼女失格かな。 「章介…何か元気ない?」
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