0人が本棚に入れています
本棚に追加
恵理の絶望。 #2
やっと落ち着いた恵理を送って戻ってきた時には、
もう0時を回っていた。
テーブルには恵理の飲み干したカップが、今日の事の余韻として残されている。
「…今日はごめんね、疲れてるのに。ありがとう」
私は車のキーを机に置く章介に伝えた。
「あ、いや…」
章介は目線を落としたまま小さく呟いた。
それを聞いてから、私はテーブルの上のものを片付け始める。
水を流すと、時間が経ってこびりついたココアの粉が、少しずつチョコレート色の水に変わって流れていく。
"恵理が別れるとは…"
私はそれを見ながらぼうっとそんな事を考えていた。
最初のコメントを投稿しよう!