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「…お、みお!」
章介の声で目を覚ました。
天井と私の間に、章介の心配そうな顔が覗いていた。
「また夢見たの?寝ながら泣いてたよ」
「章介…」
"自業自得だよ"
本当に怖い夢を見てしまった。ドクドクと血の音がしている。
恵理の顔がまだ目に焼き付いていた、あれは…敵意、だった。
私は体を起こし、章介の首にしがみつく。
「夢、見た…。章介がどっかへ行っちゃう夢…」
「…そっか、ここにいるよ」
抱きしめる力を強くして、章介は言った。
私は貪欲に章介の存在を確認する。
体の厚み、熱、匂い…
「ねぇ、みお」
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