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「みお?…わかる?」
目の前で諭すように話す章介が、急に男に見えた。違う体で違う事を考える生き物、だと。
そんなのはいやだ…、章介は章介だよね…?
「わかってるよ…。わかってるから大丈夫。勝手にメール見てごめんなさい」
口をついて言葉は定型文のように、やけにスラリと出ていった。
「うん。みおは何も心配する事ないんだよ。みおの事は俺が一生守るから」
章介はあたしのべったり濡れた頬をぬぐい、抱きしめて布団をかけてくれた。
お母さんが小さな子を寝かしつけるように、ポンポンとリズムを作る。
「みおは俺が守るから……」
けれど、まるでそれは自分に言い聞かせているような響きがした。
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