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「よくわかんないけど、泣いてたんだ。痛そうで、折れそうで…
それからなんか。気になって」
章くんはハッキリとそう口にした。
「そう、なんだ…。みおが…」
「何があったの?」
「…あたしも知らないんだ。みお何も言ってくれないから」
「そか…」
その時、章くんは遠くを見ていた。
目の前にいるのに、すごく、遠い。
章くんは…あたしを見ていない。
「…それであたしと仲良くしてたの?」
「え?」
「な、なんだぁー早く言ってくれれば良かったのにー。
お昼とか、みお呼んできたのにさー!」
「え?あ!違うよ。
坂上さんとあの子が仲良いのだって最近知ってびっくりした位だし。
名前も知らなかったし」
「そう!そっか…」
あたしは笑ってそう答えた。笑えてないのはわかってたけど。
何だか胸の中がざわざわと重たくて、気持ち悪くて、それ以上何も食べる気がしなかった。
気詰まりな雰囲気の中、チャイムが鳴った。
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