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それから章くんともあまり話さなくなっていった。
何故か章くんをみおに取られてしまったような、
自分に価値がないと言われたような
あたしの子供じみた気持ちが、距離を取らせた。
章くんは何度も話し掛けてくれたけれど、
どこかぎくしゃくしてしまい、…それも段々なくなっていった。
そしてそのまま卒業を迎えた。
「卒業おめでとう、坂上さん」
「おめでとう、章くん…」
「元気でね」
「うん、章くんも。…ねぇ」
「ん?」
卒業のこの日まで、章くんがみおと話してるのを見る事はなかった。
多分みおは章くんの存在すら知らない。
"それでいいの?"
そう頭に浮かんだけど…
あたしは言い出せなかった。
「ううん、…今までありがと」
「うん。じゃあ」
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