恵理の過去。 #2

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それから章くんともあまり話さなくなっていった。 何故か章くんをみおに取られてしまったような、 自分に価値がないと言われたような あたしの子供じみた気持ちが、距離を取らせた。 章くんは何度も話し掛けてくれたけれど、 どこかぎくしゃくしてしまい、…それも段々なくなっていった。 そしてそのまま卒業を迎えた。 「卒業おめでとう、坂上さん」 「おめでとう、章くん…」 「元気でね」 「うん、章くんも。…ねぇ」 「ん?」 卒業のこの日まで、章くんがみおと話してるのを見る事はなかった。 多分みおは章くんの存在すら知らない。 "それでいいの?" そう頭に浮かんだけど… あたしは言い出せなかった。 「ううん、…今までありがと」 「うん。じゃあ」
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