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「それで?本当にみおちゃんと結婚するつもり?」
人の家でも構わず勝手に冷蔵庫を開け、ビールを取り出したアキラは軽い調子で言った。
こいつは昔から真っ昼間に飲むのが一番うまいと言う。
「勝手に飲むなよ。本当にってなんだよ。お前みおと会った事ないだろ」
「ないよー。でもお前の事は知ってる。で、お前よりは多少女を知ってる」
「何だよそれ。お前もそろそろ落ち着けって」
「落ち着いたよー?大分落ち着いたよね。悲しくなってくる位」
「よく言う。常に2人以上女がいるやつが」
「いないよー。みんな友達だからね。俺は浮気も二股もしないんで。その為に彼女は作らない」
どういう理屈だ、と思いつつアキラから受け取ったビールを開ける。
アキラとは大学からの付き合いだが、未だに何でつるんでるのか分からない。何がきっかけだったかも今は覚えてない。
何年間も、好みも価値観も全く違うのに心地よいという不思議な関係を続けている。
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