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章くんは穏やかに笑って背中を向けた。瞬間、あたしは大声で呼びとめていた。
「章くん!!」
あまりの大声にびっくりしたような表情で、章くんはあたしを見る。
綺麗な、深い瞳。
「みお…、まだ中庭いると思う。帰る約束してるから。
あのさ、みお…、みおは何かに傷付いてて、多分。
誰かに心を開くとか出来ないみたい…
だから……」
何が言いたいの?
うまく言葉が出ない、何を伝えたいのかわからない。
でも。
でも、みおが。章くんが。
頭の中で二人の笑っている顔が浮かんだ。
あたしは何故か、切なくて涙が出そうになる。
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