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「いやー……」
五木女史の口は、止まらない
「市川君もさ、市川君よね?取引先ってあり得ないでしょう?」
得意気にそう話す五木女史の鼻の穴に割りばし突っ込んでやろうかと段々とイライラしてくる
「――はぁ」
「貴女もそう思うでしょ!?」
「ははっ」
なにこの自分が責められてるような感覚。
「仕事の評価が高くっても、あれじゃあ常識もなにもあったもんじゃないわよ」
「……」
言葉が、出てこない。
五木女史の順調に滑り出したお口は止まることなく、駅までのたった5分の道のりが異様に長く感じた。
「じゃあね、お疲れ様」
まるでお風呂上がりのようにサッパリとした笑顔で、五木女史は私とは違う路線に颯爽と消えていった
良かった、電車同じじゃなくて
「はぁ……」
また今日も溜め息。
いや、しかし。
すんごい、疲れた。
五木女史めんどくさいんですけど!!
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