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やっとイチさんが出張から戻ってきたというのに、朝になんの愛想もない挨拶を交わしただけで、沈黙の嵐。
五木女史も、昨日まではペラペラとよく喋ったのは、幻だったんだろうか。
黙々と企画書を作ってはいるものの、いたたまれない空気に早くも押し潰されそうになりながら、どうにかならないのか。と様子を伺う
が、――打開策、ナシ。
うあーっ!!
嫌だー!!こんなの!!
と、脳内で暴れまくる私は、シラッとした顔で
「すり合わせ、しませんか」
そう、呟いてみた。
「いーけど」
無愛想なイチさんの声が聞こえてきて
「まだ無理」
隣から、五木女史のなんとも言えぬ不機嫌な声が飛んできた
「だってさ」
「……」
もう、やだ。
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