第4話

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唇が離され、至近距離のまま瞳の奥を覗きこまれた。 今のわたしはまるで物乞いをする子供のように映っているはずだ。 ボンヤリとした思考のまま、彼の形のいい唇を見詰め返した。 「杉本をここまで追い込んで……大罪を犯してるな。夏騎は」 冬哉はそう言ってわたしの肩を引き寄せて来た。 大罪……
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