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目の前には大好きな食べ物が並ぶ
仕事帰り、勿論お腹は空いている
マスターの作った料理はとても美味しい
正座して10分
私はテーブルの上の料理に視線を落としたまま
隣に座る金髪の男性に人見知りを続けている
「萌音。アキラについでやれ」
すでに赤ら顔をした斜め前の白髪にゆるパーマ
小洒落たアロハシャツ姿のおじさま
私の働くお弁当屋、店長である
ぐいっと店長に渡されたビール瓶
半分以上入っている
片手で持つには、少し重い
隣の空になってしまったコップに視線を向ける
「すみません、どうぞ」
空いたグラスに注ぐ、視線を交わすだけで手が震える
「重い?ありがと」
「いえ…気づかなかくてごめんなさい」
何故、こうなったのか
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