1.幼なじみのいる日常

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   部屋に戻った俺は、ベッドに寝転んでボーっとする事にした。前からこういう風にしている時間は多かったけど、最近ではさらに増えた気がする。  2学期の期末テストもとりあえず赤点無しで済んだし、学校の勉強は冬休みまでは消化試合だ。冬休みの課題はまだ出てないからやりようが無いし、他にする事と言ったらゲームぐらいしか無い。でも今日は何かやる気が起きない。  最近ゲームをやる時間も減ったなぁ……高校に入ってから大分少なくなった気がする。これと言って忙しくなった訳でもないんだけど。冬休みも特に予定が無いからこんな風に過ごすのかも…… 「……バイトでもしてみるかな」  頭をかすめる程度に思った事を口に出してみた。こうして時間を浪費するならいっそ冬休みはアルバイトをしてみるのはどうだろう。どうせ暇なんだし。部活はあるけど昼までだし。郵便局で年賀状の仕分けとかならこの時期ちょうど良い。  幸い郵便局は俺の家から徒歩で20分ほど行った所にあるし。週末にでも行ってみよう。 「あの、すみません」  母さんに郵便局の窓口は土日は休みだという事を言われたので、俺は思い立った次の日の学校帰りに郵便局へ足を運んだ。 「はい、どうされましたか?」  窓口の女性がそう答えた。年上に敬語を使われるのは何か変な気分だ。 「えっと、冬休みに年賀状の仕分けのバイトをしようと思ったんですけど、募集してますか?」 「はい。仕分けの希望で良いですか?」 「あ、はい。仕分けの方で」  配達の方は原付の免許がいると言う事なので無理だ。 「では簡単な面接を行いたいのですが、今からでも大丈夫でしょうか」 「い、今からですか?」  面接はあるかもとは思ってたけど今からとは……やばい、何も考えてない。 「大丈夫ですよ、かしこまったものではありませんので」 「そ、そうですか。それなら今からで大丈夫です」  説明通り1度郵便局から出て、裏へと周り職員専用の入り口の前のインターホンを押した。バイトを希望すると言う事を伝え中に入り、階段を上がる。 「こちらへどうぞ」  さっきとは違う女性にそう言われ、俺は事務室のような所へ入った。他にも職員が10名ほど仕事をしている。  
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