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その日の放課後、佐久間耕平の周りには人だかりが出来ていた
「佐久間くんだっけ?何処から来たの」
吹奏楽部の成瀬一美(なるせひとみ)が親父に質問した。
「神奈川」
「そうなんだー、神奈川ってどんな感じ?」
「あんまここと変わんないよ」
神奈川なんて行ったことないのに適当なこと言うな、と心の中で突っ込みを入れた。
「祐介」
後ろから声が聞こえたので振り向くと、明里が立っていた。
橘明里(たちばなあかり)とは恋人同士だ。
明里の方から僕に告白してきたのだ。
特に振る理由もなく、何となく付き合い始めたが、今では僕も明里のことが好きになっていた。
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