第3章 探し求めて

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「こっち来るなよー!」 大きな家が建ち、同じく大きな庭に少し小さな池。 言わずもがな家の庭。 今日は桜咲の友達が遊びに来ていた。 私が桜咲と遊んでいる子達に近寄ろうとすると、みんなが遊びをやめて逃げて行く。 「あ、待って……」 「うるせぇ、喋りかけんなよっ!」 いつも私だけはのけ者。 まあ仕方ないのかもしれないけれど。 「きゃ……」 《 バシャッ! 》 突然男の子に押されて池に落ちた。 幸いその中にいた鯉は逃げ切れたらしく、何事もなく泳いでいる。 呑気な鯉たちね。 それを眺めながら体に張り付く冷たい水に震えた。 「あははっ! だっせぇー!」 「上がってくんなー!」 「浸かってろよー!」 そう、誰も助けてはくれない。 みんなみんな自分が良ければそれで良しの教育すらなってない粗野な言動ばかり。 別に期待もしていない。 だけどやっぱり一人で居るのは、孤独に生きるのは、寂しいから、ね。 「……冷た」 苦笑いしながら己の濡れた手を見つめる。 自嘲の笑いを浮かべるとその手をギュッと握りしめた。 「駄目よ、そんな事をしてはいけないわ。 ごめんなさい、大丈夫?」 「桜咲……さま」 慌てて語尾に様と付けたせば桜咲は苦笑いして手を差し出した。
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