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まだあなた達の元へは行けませんが、きっと
すぐに私もそちらへ行くこととなると思いま
す。 そのときはまたあのときのように暖かく
迎えて下さいね。
私はあなた達に会えて本当に良かった。
それでは、また会う日まで。
敬具
「これ……合ってるのでしょうか」
書き終えて手に取ったそれを見りると一人首を傾げる。
いや、確かあっているはず。
まあ読むのは一人だけですし、大丈夫ですね。
乾かしてから折りたたみ、懐へ仕舞うと立ち上がった。
階段を降りて行くと翠子さんとばったり会った。
「あ、今から行くん?」
「はい、少し時間に余裕を持った方がいいかと思いまして」
「ふふっ、少しくらい遅れても何も言わへんよ? うちかてそない鬼やないんやから」
クスクス笑うと私の手を取り何やら硬いものを握らせた。
「え、これ……」
手の中に握るあるものとは、金子だった。
それを見た途端顔を上げると翠子さんはまた笑みを深める。
「貰って行き。 いっつもようさん働いてくれとるんやし、たまには良い思いもせんと」
「………ふふ、ありがとうございます。 それでは行って来ますね」
「うん、早うお帰りやす」
そうして翠子さんに見送られ、私はある場所へと向かった。
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