桜 #2

3/7
前へ
/35ページ
次へ
「男子校だからね。僕のまだ入学当初にね、先輩から目をつけられて、あれやこれや教えてくれたんだよ」 「な、何を」 「知りたい?」  ヨシュアの繊細な指が僕の顎をからめとる。彼の息が顔にかかる。ほのかに甘い匂いがした。 「あれ?先生、赤くなっているね。可愛い」 「な、なにを!?」 「大丈夫。これ以上近寄らないよ。ただ・・・、先生、僕の視線気付いているでしょ?なのに、アルフレッドのことをいうから・・・。僕よりアルフレッド気にするから・・・」 「ヨシュア・・・」  ふと、唇が頬に掠める。触れるか触れないかのギリギリの距離。 「先生」 「ヨシュア・・・すまない」 「先生・・・」  切ない声。  瞳がうるんで、艶っぽい。これは、男でもくらっとする。 「ヨシュア・・・すまない」 「先生・・・」 「ヨシュア」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加