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廊下ですれ違うたびに息をのむ。
無意識に彼の姿を目で追ってしまう自分をどれだけ、叱咤しただろう。
毎夜見る彼の美しい肢体を想像してしまう罪の意識はどこに懺悔すればいいのだろうか。
だめだとわかっていても、一度味わってしまった他者への枯渇は満たされることがなかった。
誰でもいい、そばにいてほしい。
誰でもいい、僕を求めてほしい。
誰でもいい、ぬくもりがほしい。
駄々を言っていることはわかる。
すがりたい何かを探している。それが、なんという言葉かわからない。
この空虚なモノを埋めてくれるのなら、なんでもいい。
これが、エゴだってわかっている。
それが、ヨシュアで何がいけないんだろう。
美しいものは嫌いじゃないし、彼ほどよく出来た人物が自分を慕ってくれるのは、優越感にも似た感情がおこる。
自分の中にあいてしまった空洞を埋めると同時に、それは、アルフレッドと自分をつなぐ一つの手がかりだった。
ヨシュアといる時だけが、彼の気配が僕に注がれているのを感じた。
ヨシュアといる時だけが、彼が僕に目を向けてくれるときだった。
彼自身が僕に興味を持っていなくても構わない。
彼の視線、彼の気配、彼の匂い。
なんでもいい。
彼を感じていたかった。
ヨシュアと仲良くなるだけ、ヨシュアと話す時間が長いだけ、彼は僕に視線を向けた。
執着。
それだけの言葉だけでは、アルフレッドがヨシュアに募る思いは語れない。
アルフレッドはヨシュアにどんな思いを募らせているかは、目に見えて明らかだった。
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