地下へ

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輝かしい日々と、 あの頃の頃を振り返られるだろうか。 人生の折り返し地点を過ぎようとしている。 今まで何をしてきたのか、 考えるのも嫌だ。 鏡に映る自分が、 音楽の大熊(ビックベア)と、呼ばれた日を思い出させる。 あれより、年老いた分、 余計に醜い。 昨日の今日で、 瞳だけギラギラさせて、 より醜い。 ドンドンと、足を鳴らしながら、キッチンにいくと、 18年物のマッカランをぐい呑みに並々とつぐと、 一気に飲み干す。 嚥下するように、胃までの食道が熱い。 空きっ腹に、ウイスキーは、 さすがにくる。 吐く息から マッカランの豊かな香りが鼻腔をくすぐる。 昂ぶっていた神経が、 一気に、体を彷彿させ、 そのまま、浴室に向う。
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