地下へ

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風呂から上がると、さすがに疲れてしまった。 身体中の垢という垢は洗い終わると、 赤黒かった己の肌は、白く筋張っていた。 さすがに、身体の筋肉は衰え、 やせ細ってしまった。 肉体はどこまでも、正直だ。 生きる気力など、とうに失せていたはずに、 力が、 少しずつ、少しずつ手に力が入る。 冷え切っていたはずだ。 心の底からわきあがってくる。 心の渇きを久しぶりに感じだ。 うるおいを求めるのは、罪なのだろうか。
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