パトロン #2

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少年は、玄関を出るか。 または、椅子に座るか。 僕は極力表情を変えないように、慎重に言葉を選んだつもりだ。 腹を空かせた蜘蛛のように、 目の前の餌が確実に止まるまで、 待ってる。 本当に、気持ちが顔に出る子だ。 君の気持が手に取るようにわかるよ。 少年時代の純粋な好奇心と、 学校で習った道徳心とで迷っているんだろう? でも、 君は 大丈夫。 もう、罠にかかってるんだ。 君が何日も、僕の話に耳を傾けてるのは、 好奇心ばかりじゃない。 同性愛を嫌悪するなら、とっくに逃げ出してる。 君の瞳の輝きを僕が気が付いてないと思った?
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