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「お、起きてるなら言ってよ!」
慌てて顔を伏せて隠す。
「こら、顔見せろ」
「…いやだ」
布団に突っ伏して掛け布団を頭から被ろうとすると、逆に引っ剥がされた。
「ぎゃっ……何するのよ!」
素っ裸で、身を隠す物もなく悲鳴を上げた私に、
「今さらだろ。全部見たのに。
昨夜はもっと大胆に脚を開い…」
「いい、言わないで!」
戸川君は笑って、背中を向けてベッドの端に逃げる私を捕まえた。
「顔、見せろって」
「だ、駄目、ほんとに!
私、顔洗ってないから……
やだっ」
結局は手も脚も組み敷かれた。
真上から見下ろす戸川君を
泣きたい気分で見上げる。
「私…汚いよね…」
「うーん…」
戸川君は私の手足を解くと、
私の顔の両横に肘をつき、
体を重ねて顔を寄せてきた。
私の髪に指を通しながら、
額に、瞼に、頬に、唇にキスをくれる。
意外にも甘く優しい彼の仕草に、
気にしていた顔のことも忘れて
彼の背中に手を回した。
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