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「体…大丈夫か?」
「えっ?」
物思いに耽っていた私は、
突然の彼の言葉にびっくりした。
「…うん」
「ごめんな」
「何が?」
彼は私の手からコーヒーを取って
コトンとテーブルに置くと、
私を引き寄せた。
彼の腕の中におさまり、
安堵して目を閉じる。
「体…大丈夫?」
「うん」
ゆうべの話に赤面しつつ、
その余韻に浸って
彼の胸に顔をすり寄せると、
彼は私の顎をすくい上げて、
そっと唇を重ねてきた。
コーヒーの香りの吐息が混ざり合う。
彼と迎える初めての朝は、
どこか切ない予感の混じる、
苦くて甘い朝だった。
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