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彼は甘い誉め言葉は言わない。
でも、いつも事実以上の評価と期待に追われていた私には、それが心地よかった。
彼の前では不細工で情けない、
本当の私でいることができるから。
甘い言葉の代わりにくれるキスが
次第に深くなる。
昨夜初めて触れ合った肌が、
また互いを求めて熱を持った。
「着替えた…ばっかり、なのに」
服も体も理性までも彼に乱されながら、意味のない抵抗を試みる。
「せっかく、メーク……」
「無理…止まらない」
明るすぎる部屋で、
ベッドですらなくて。
恥ずかしさに震えながらも、
心も体もすでに彼を許していた。
半ば意識も飛んで、
朧げだった昨夜の記憶が、
彼に触れられる度に蘇る。
昨夜あんなに我慢した声も、
今は情けないほどに唇から漏れた。
その度に、
彼の私を抱き締める力が強くなった。
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