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いい歳した大人なのに、
それはどうしようもなく不様な告白だった。
結局、肝心な一言も言えてない。
でも今はただひたすら、
絡めた唇に溺れた。
初めてのあの時よりもずっと優しい、でも息をすることも許してくれない、長い長いキス。
酸素を求めて唇を離そうとする度、
また捕えられた。
ようやく唇を離した戸川君は、
頬に残る涙のあとを唇でなぞった。
「他の男じゃなくて…
俺のためだけに泣いて」
「泣きたくなんかな……」
傲慢な言葉に逆らおうとした口は、
彼の唇に掬い取られた。
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