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帰り道、戸川君のマンションまでのわずかな道のりも手を繋いでくれた。
「ね。話を蒸し返すようだけど」
照れ隠しに、喧嘩をふっかけた。
「結局、とっかえひっかえってデマじゃなくて本当じゃん。
アホかって頭叩いたくせに」
「違うって!」
ムッとした顔で戸川君が肩越しに私を睨みつけた。
「相手に執着することがなくて放ったらかしだったって意味だよ。
ヤりまくったって意味じゃない」
「や、やり…」
露骨な言葉に赤面したけれど、
戸川君は大真面目だった。
「ろくに構ってやらなかったから
長続きしなかった。
それが他の奴にはそう見えたんだろ」
「……」
「昔は気持ちが入ってなかったけど、今は違う。わかったか?」
「…はい」
何だか怒られてるみたいだけど、
ちょっと嬉しかった。
“今は違う”って言った時、
繋いでる手に力が込められたから。
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