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戸川君は意地悪だ。
安心をくれる言葉も、
彼の心を約束する言葉もくれない。
くれたのは、私を縛る言葉だけ。
それでも、私が彼を好きだから、
この瞬間だけで十分だと思えた。
演技じゃないって言ってくれたこと。
今はそれだけでいい。
二人の間に挟まれた私の腕がもどかしくて彼の首に腕を回すと、キスが次第に深くなった。
密着した体が倒されて、
ずるずるとソファに崩れていく。
覆い被さる彼の重みに体が熱く痺れて、首筋を伝う彼の唇に息が乱れた。
私の膝を割る彼の脚に、
もう何の抵抗もできない。
でも突然、
戸川君は突き放すように
私の体を放して起き上がった。
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