嫉妬と煽情と初めての夜 #2

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彼と密着していた私の体を、 冷えたエアコンの風がひやりと撫でていく。 「戸川君……?」 背中を向けて立ち上がった戸川君は、絞りだすように言った。 「……今日は、送ってくから」 まだ起き上がれないままの私は何も言えず、ただ戸川君の背中を見つめた。 「…崎田のことで、 あんなに怒った後だから」 ようやく体を起こした私は戸川君の言葉の意味を掴みかねて、黙って彼の背中を見上げた。 「まだ怒りが消えてないから」 「…ごめんなさい」 「そうじゃない。 ……滅茶苦茶しそうだからだよ、 俺が」 思わず立ち上がった私は、 衝動的に彼の背中に抱きついて顔を埋めた。 「それでもいい…」 過去の私が見たら、 びっくりするだろう。 自分から請うなんて、 後から思い出せばきっと、 恥ずかしくて死にたくなるはずだ。 それでも私は自分を止められなかった。
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