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寝室はベッドと本棚以外はまだ何もない、シンプルな部屋だった。
唇を重ねたまま、
ひんやりとした感触のシーツに
ゆっくりと倒される。
彼は一度体を離し、
起き上がってシャツを脱ぎ捨てた。
薄暗い照明に浮かぶ彼の引き締まった体を直視できなくて、思わず目を瞑る。
「目、開けて…」
強引な中に、どこか懇願も含むような低く擦れた声音に、言われるまま、目を開けた。
熱と色を放つ男の顔でゆっくりと被さる彼に、心も体もすべて差し出した。
彼はそっと私の頬を撫でた後、
深く唇を絡めてきた。
熱いキスを繰り返しながら、
私の服のボタンを器用に外していく彼の慣れた指先に、胸の奥がかすかに痛んだ。
次第にあらわになる肌。
綺麗だと囁く彼の視線に耐え切れず、思わず身をよじる。
でも、熱を孕んだ彼の唇は私の自由を奪い、体を奥から熱く溶かしていく。
今まで同僚としてぎりぎりの距離を保ってきた私達は一線を踏み越えて、もう言い訳のできない領域に深く踏み込んだ。
胸元に腰に開かれた脚に、まだ少し濡れたままの彼の前髪が滑り、唇が触れる。
彼の腕の中で、
恥ずかしいほど息が乱れた。
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