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「でも……タダじゃ返してくれないだろうな……」
職員室に向かいながら、思わずつぶやく。
「どういうこと?」
鞄から顔をのぞかせ、美香さんが訊いてきた。
「返してもらうのに、何かしらペナルティが課されるってこと。便所掃除1週間とか、倉庫の片付けとか……。斉藤と一緒に遅刻の取締りをやらされていた奴もいたなぁ」
もし遅刻の取締りをやるとなると、1時間も早く登校しなくてはならない。朝の1時間は貴重だ。
「だったら、いい方法があるわよ?」
美香さんが悪戯っ子のように微笑んだ……ように見えた。
「…………」
なるほど。美香さんの話を聞いて、その作戦ならうまくいく気がしてきた。
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