「わたし」を捜すの手伝います 第1話

学校

「お前なぁ、来年は大学受験だっつーのに、こんなの学校に持ってきて、何考えてるんだ？」

斉藤はそう言いながら美香さんをブンブン振っている。頼むから壊さないでくれよ？

「いやぁ、純粋に、『カンフーガール・鳴鈴』っていうアニメが好きなんですよ。でも、誰かみたいに、フィギュアのスカートをめくって中を見たりしませんがね」

そこまで言うと、斉藤の動きがピタリと止まった。

「ましてや、服を脱がしてみて、中身がリアルに作られてないからって『チッ、つまんねえな』なんてつぶやきません」

斉藤を見ると、目を見開き、顔が引きつっている。