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「……わからない」
美香さんは、やはり元気の無い声で答え、そして続けた。
「でもね、やり残したことがあるのはわかるの。だからわたしは人形の体を借りたんだもん。そして、そのやり残したことを成し遂げるには、自分の体を捜さなくちゃいけないってこともわかるの」
またもや、ぼくは黙ってしまった。
無責任に「大丈夫、なんとかなるよ」なんて言えなかったし、かと言って「死んでるんじゃ、どうしようもないんじゃない?」なんて無慈悲なことも言えなかった。
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