最期の言葉

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受付を済ませ、病室へと向かう。 意識不明の危篤状態である美香さんは、面会にもいろいろ手続きが必要らしかったが、春樹さんが全てうまくやってくれた。 「本当は30分しか面会時間はないんだけど、特別に1時間にしてもらったから」 春樹さんが、ポケットの中の美香さんに声をかける。 「うん。ありがと」 ポケットから、美香さんの声が聞こえた。心なしか、緊張しているようだ。 「さあ、ここだ」 そう言って、春樹さんが病室のドアに手を掛ける。 ゆっくりとドアが開いた。
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