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薄暗い病室の中、人が一人ベッドに横たわっている。
周りにはなんかの機械が設置されていて、そこから何本ものチューブが伸びて、その人の身体につながっていた。
ぼくは、想像以上の美香さんの状態に、言葉を失った。
ベッドに横たわった美香さんは、文字通り骨と皮だけで、血の気のない、土気色した肌に、目は落ち込み窪んでいた。
抜け落ちた髪の毛を隠すためなのだろう、頭に被ったニット帽が痛々しかった。
「あらら、こうして客観的に見ると、いつ死んでもおかしくないわね」
美香さんが、まるで他人事のように言う。
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