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「ナベオ?」
その手を握りながら、春樹さんが尋ねる。
「『ワタナベオサム』の真ん中を取って『ナベオ』です」
「あっはっは、なるほどね。うまいなぁ……、って、そうだ! なんでみはるを呼んじゃダメなんだ?」
春樹さんが真顔に戻って美香さんに訊いた。
「みはるには、この姿を見せたくない。あの子には、あくまで『母親』として伝えたいことがあるの。だから、元の体に戻るまで待って」
「おかしな奴だなぁ。せっかく今、お前もみはるもこの家にいるんだから、言いたいことがあるなら言っちゃえばいいじゃねえか」
「全く……これだから男って生き物は……」
ブツブツと呟いた後、美香さんは続けた。
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