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「あのね、例えばそうね……。あそこの狸のぬいぐるみ。あのぬいぐるみがいきなり動き出して、『おれはお前の父親だ。これからお前に伝えることがある』なんて、亡くなったお義父さんが言ってきたら、あなたどうする?」
春樹さんは、しばらく黙っていてからポツリと呟いた。
「……うん。嫌だな」
「でしょ? だからみはるには知らせないで」
「ああ、わかった。じゃあ、そろそろみはるを風呂に入れるから、美香、お前どっかに隠れてろ」
そう言って、春樹さんは隠れられそうな場所を探し始めた。
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