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「それなら、美香さん。そろそろ帰ろうよ」
バシッ!
ぼくがそう美香さんに声をかけると、ナベオが後ろからぼくの頭を叩いた。
「バカ。少しは気を使え」
「ごめんね、潔くん。この体、汚したり傷つけたりしないように気をつけるから、今日はこの家に居させて?」
そうか……。美香さんにとっては一週間ぶり、いや、入院していたのだから、もしかしたら数カ月ぶりの我が家かもしれない。
そして、何より自分の家で過ごせる最後の晩となるかもしれないのだ。
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