別れと指輪への未練

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あれから一週間が経った。 ……私はというとあの事実を知って、月からの電話を徹底的に無視し続けた。 そして、“着信拒否”という手段に出た。 ……もう本当に疲れて、精神的にボロボロ状態になっている。 こんな気持ちのまま、月には会えない。 月に会ってしまったら、きっと泣き出してしまうだろうから……。 ―――… そんなある日。 私は職員室で休む事もなくずっと手を動かしていた。 担当している教科のプリントの採点や、予習復習、それ以外に雑用まで手を回した。 何かをやっていないと、月の事を考えてしまう自分を抑えるために……。 そしてやっと昼休みになって、同僚の教師は職員室や食堂でお昼を摂る。 お弁当派の私もいつも職員室でお昼をすましている。 そんな職員室には数人の教師しかいなかった。
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