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学校がスタート。
「ここが俺の通う学校なんだよな」
「はい、間違いありません」
校門の前に来てから、今更な台詞を言う俺に、隣に居る女の子がそう答える。
「それにしても、先日はすみませんでした」
そう言って頭を下げてくる。
「いや、大丈夫だよ、…ビックリしたけど」
「すみません、まさか開いていたドアを、更に手で開こうとしたら、先に来ていた谷口さんの手を運悪く握ってしまうなんて」
運悪くドアに手をかけるタイミングが噛み合ってしまい、オレは恥ずかしながら悲鳴をあげてしまった、情けなさすぎだがビックリした故の叫びだ。
ちなみに、今こうして話をしている女の子こそが、数日前の廃屋で俺の手を握ってきた人物だ、名前は高橋雪菜さん、やや短く切りそろえた髪を真っ赤に染めていると言う、だから俺は一瞬だけ、この子を女不良の類かと思ってしまったのだが。
話してみると丁寧で礼儀正しく、外見とは裏腹な優しい子だった。
彼女は引っ越してきたばかりの俺は知らなかったが、自宅から数件ほど離れた、新しく建てられた家に住む近所の子で、俺と同様に今年から高校一年生で、しかも同じ学校だと言う。
「はいはい、姉ちゃんの入り込む隙がないくらいベタベタしない」
そんなオレと高橋さんの後ろに立つのが、我が姉ちゃん…。
「ベタベタなんてしてないだろ?」
「そーお?知り合ってから、ここんとこ会ってばっかじゃない、アンタ…雪菜ちゃんの事が好きになったんじゃないの?」
「ええっ!?」
姉ちゃんの台詞に、少し赤面になりながら慌てる高橋さん。
「いやいや、同じ学校でしかも家の近所じゃんか、友達になろうと思っただけだろ」
「そう言って、実は隙あらばガバッと行くつもりなんでしょ、このケダモノめ~」
「そんな事しねーよ、俺は理性の無いバカかよ?」
「あああ…あの、喧嘩しないで下さい、姉弟なんですから」
オレと姉ちゃんの喧嘩口調に、横に居た高橋さんが、動揺気味に和解するよう言ってくる。
「大丈夫よ雪菜ちゃん、これは我が弟を一人前の男にすべく、焚きつけようとしてるだけ…、だから全くノープロブレム」
「問題あるわ!!」
オレは渾身のツッコミで、手刀を入れようとしたが、摺り足で地面を撫でるようにしながら、いとも簡単に避ける、くそ、さすが仮にも剣道二段、反応が早い。
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