学校がスタート。

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(まあ、小牧が高橋さんを好きになったとしても、悪い事じゃあない、もし仮にそうだとして相談されたら、話くらいは聞いてやらないとな) 恋愛経験の無いオレでは的確なアドバイスなんて無理だが、悩むダチを無視はできないし、そうなったら相談くらいにはのるつもりだ。 夕食を終えて歯を磨き、風呂に入って部屋に戻って、明日の準備をする、教科書やノート、筆記用具もバッチリだ。 「さてと、久しぶりにゲームでもするか」 俺はテレビの前に座り、プレイステーションのゲームディスクを選ぶ、ここは地味に『イン○ーダー』で遊ぶ事にした、千五百円シリーズのシューティングゲームだ。 かなり古いゲームをリニューアルしたものらしいが、シンプルながらに奥が深く、かつ難易度が高い、まだまだクリアーまでの道のりは遠いだろう。 俺は画面上からジワジワと下りて攻めてくるイ○ベーダーに、ビームを当てて必死に応戦するのだった。 ……………………………………………… 入学してから2ヶ月、そろそろグループ分けも安定し、部活や委員会に精を出し始めている。 なのだが、やはりグループに入れない、人付き合いが苦手な人もいるわけで… オレはそう言った人を無視したり、弾き出したりするのは大嫌いだ、小牧や高橋さんも同意してくれて、そうした人付き合いが苦手なクラスメートにも、普通に挨拶したり、話しかけたりしている。 「クラスに溶け込めないのを、本人のせいにはしたくねぇよな、苦手ならこっちから手を差し伸べてやろうぜ」 小牧は授業で余ってしまう、一人ぼっちの男子や女子にも、分け隔てなく接した。 「いい人ですね小牧さんて」 「ああ、オレらも仲間に入れてもらうとするか!」 「ええ」 バスケとかになると、運動が苦手なクラスメートも居る、そして当たり前のように、足手まといだからと端弾く奴も居る。 「おい、オレらのチームに入れよ、無理しなくていい、楽しめばいいんだよ、たかが授業のバスケなんだし」 オレが一人ぼっちで隅に座っている男子に話しかけていると、それが気に入らないらしい、同じクラスの原田が絡んできた。 「おい谷口、そいつ全然使えねーぜ、ボールを受け取る事も出来ねーんだぜ、そんなのをチームに入れるなんて、バカかよてめえ」 オレはカチンときて、スッと立ち上がると、原田の真正面に立つ。
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