24人が本棚に入れています
本棚に追加
(まあ、小牧が高橋さんを好きになったとしても、悪い事じゃあない、もし仮にそうだとして相談されたら、話くらいは聞いてやらないとな)
恋愛経験の無いオレでは的確なアドバイスなんて無理だが、悩むダチを無視はできないし、そうなったら相談くらいにはのるつもりだ。
夕食を終えて歯を磨き、風呂に入って部屋に戻って、明日の準備をする、教科書やノート、筆記用具もバッチリだ。
「さてと、久しぶりにゲームでもするか」
俺はテレビの前に座り、プレイステーションのゲームディスクを選ぶ、ここは地味に『イン○ーダー』で遊ぶ事にした、千五百円シリーズのシューティングゲームだ。
かなり古いゲームをリニューアルしたものらしいが、シンプルながらに奥が深く、かつ難易度が高い、まだまだクリアーまでの道のりは遠いだろう。
俺は画面上からジワジワと下りて攻めてくるイ○ベーダーに、ビームを当てて必死に応戦するのだった。
………………………………………………
入学してから2ヶ月、そろそろグループ分けも安定し、部活や委員会に精を出し始めている。
なのだが、やはりグループに入れない、人付き合いが苦手な人もいるわけで…
オレはそう言った人を無視したり、弾き出したりするのは大嫌いだ、小牧や高橋さんも同意してくれて、そうした人付き合いが苦手なクラスメートにも、普通に挨拶したり、話しかけたりしている。
「クラスに溶け込めないのを、本人のせいにはしたくねぇよな、苦手ならこっちから手を差し伸べてやろうぜ」
小牧は授業で余ってしまう、一人ぼっちの男子や女子にも、分け隔てなく接した。
「いい人ですね小牧さんて」
「ああ、オレらも仲間に入れてもらうとするか!」
「ええ」
バスケとかになると、運動が苦手なクラスメートも居る、そして当たり前のように、足手まといだからと端弾く奴も居る。
「おい、オレらのチームに入れよ、無理しなくていい、楽しめばいいんだよ、たかが授業のバスケなんだし」
オレが一人ぼっちで隅に座っている男子に話しかけていると、それが気に入らないらしい、同じクラスの原田が絡んできた。
「おい谷口、そいつ全然使えねーぜ、ボールを受け取る事も出来ねーんだぜ、そんなのをチームに入れるなんて、バカかよてめえ」
オレはカチンときて、スッと立ち上がると、原田の真正面に立つ。
最初のコメントを投稿しよう!