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「おう、バカなんだよオレは、悪いか?」
オレの態度に反発して、原田の雰囲気や態度も悪化した。
「悪いな、そんな無能なんて存在してる意味ないだろ、それに情けをかけるんだから、とんだお人好しだぜ、偽善者」
「お前が何様かしらないが、どれだけ有能なんだ?他人をどうこう言う前に、自分の性格の悪さを見直したらどうだ、半端野郎」
「てめえ、マジで殺すぞコラ!」
「よく聞くが、実際に殺せた奴には会った試しがないな、口だけの半端な粋がり屋がどんなもんか、やってみろよ雑魚」
「クソが!死ねや」
右手を振り上げて殴りかかってくる原田、未熟とは言え剣道をかじっているオレには見え見えだ。
姉ちゃんには見劣りするが、摺り足でススッと、床を舐めるように移動し、横に避けた所で勢いで突っ込んできた、目の前を通過する原田の足を引っ掛ける。
ガッ!
「うわぁぁっ」
軸の足を引っ掛けられ無様に転ぶ原田、体育館の固い床に前のめりに転び、顔面を強打してもがく。
「こいつ!」
「押さえろ!」
原田の仲間が次に襲いかかってきた、くそっ、竹刀でもあればこの程度の連中なら倒せるが、素手では1対1で、互角くらいだ、2人ではかなり不利だ。
オレに掴みかかってきた2人は、そのまま力付くで押さえにくる、畜生!こんな連中に負けてたまるか。
オレは必死に引き剥がそと暴れるが、相手も男で二人かがりだ簡単には行かない。
「く…くそが、そのまま押さえとけよ、数倍にして返してやるからよ」
起き上がった原田が、右手を握りしめて、こちらに近寄ってくる、マズいなこれは…、遠巻きに見ているクラスメートたちは、ビビって動けないでいる。
万事休す…か?そう思った時だった。
「セイッ!」
気合いの声が響くと、駆け寄ってきた高橋さんが、原田の顔面と腹に連続で蹴りをいれた。
いわゆる二段蹴りだ、その攻撃でやや前に屈んだ所を、流れるようにカカト落としが決まる。
ゴンッ!
何やら物騒な音が聞こえると、原田はバタンと床に倒れた。
「1人に3人がかりなんて恥をしりなさいよ、そっちがその気なら、私も参加するわ」
ザンッ!と足を踏み込ませ、堂の入った構えを取る、その気迫はいつもの高橋さんとは明らかに違う、まさに空手家。
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