学校がスタート。

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ガッ! 「ぐわっ!」 俺を掴んでいた片方の男子が、殴られて、手を離した。 「俺もだ、我慢がならない」 小牧がやや不格好だが、構えらしく両手をあげて、戦う姿勢を取る。 1人になった原田の仲間の手を振りほどき、オレも対峙する。 「さっきと立場が逆になったが、どうすんだ?やるのか?」 「く……」 原田の仲間は悔しそうな顔しながらも、そのまま逃げて体育館から出て行った。 「ふう…ヤバかったぜ」 オレも頭に来て喧嘩を仕掛けた感じになってしまったが、あのままなら負けていただろう、オレは高橋さんと小牧に礼を言った。 「いや、俺こそすまん、少しビビっちまって、すぐに助ける度胸がでなくてよ」 「私は1対1なら手を出す気はありませんでしたが、3人がかりなら話は違いますからね、もう勝負じゃなく、単なる一方的な暴力ですから」 高橋さんは如何にもスポーツマンシップっぽい考えで、それに反したから助っ人してくれたらしい。 て、ことは原田と1対1ならオレが不利でも助けてはくれない、という事なんだろう。 その後、先生に呼び出されてお説教はされたが、事情を配慮してくれたのか、今回は厳重注意だけで済んだ。 とは言え、先生方に目を付けられてしまったろうから、もう少し自重しなくては後々で面倒になりそうだ。 職員室を出た所ど原田の仲間が、こちらを睨んできたので、思い切り睨み返して一歩踏み出すと、ワッと逃げてしまった、どうやら原田の他は、まともに喧嘩するだけの度胸はないらしい。 ともあれ、その日を境にクラスメートたちは、一人ぼっちになっていた男子や女子に声をかけて、自分たちのグループに加え始めた。 「喧嘩は悪かったかもしれませんが、結果としてクラスメートに孤立した人が居なくなったのは、良かったですよね」 「そうだな、グループに入れば学校生活も全然楽しいだろうからな」 高橋さんと小牧が口々に良かったと言う、そんなオレらにも1人、孤立していた女子がグループに加わっていた。 「中島もこれからは遠慮なく来いよ、ダチなんだしさ」 「ええ、ありがとう」 そう控えめな口調で応えてきたのは、先にも言ったようにクラスで孤立していた女子の1人で、名前は中島里見、比較的に美人に分類される容姿の持ち主だが、どこか影がある雰囲気を持つ。
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