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多分、それが原因で近寄り難かったのだろう、確かに明るい娘ではないが、話してみると全く普通だったし、何よりオレが個人的に『すげー!』と思ったのは“絵”だ。
情けないがオレは絵が致命的に下手だ、似顔絵なんて描こうものなら…男子なら笑って終わるだろうが、女子なら間違いなく不評を買う、もう落書きレベルだ。
比べて中島は、勉強をしたのかなって思うくらいに絵が上手い、様々な人物画はもちらん図形を組み合わせた、不思議な模様まで、それがマッチしていて美しい絵を組み合わせ、描き上げていた。
「わたしは普通の勉強とかスポーツには、あまり興味はないの、いつもは家で本を読んだり、絵を描いたり、ハーブを育てたりしているわ」
「中島さん、インドア派なんだね、けど勿体ないな、そんなに美人なんだから、もっと外を出歩いてみれば良いのに」
「でも、雪菜さんみたいな可愛い娘の方が男の子にモテるんじゃない?私は…ちょっと根暗だし、話題もあまり無いから」
「そんな事ないですよ、お話ししたら全然普通じゃないですか、話題くらい大丈夫ですよ、なんでしたら私が面白い事を教えますけど」
「どんな?」
「空手なんてどうですか、中島さんもやりませんか?」
「いや、なんつーか高橋さん、空手は良いけどさ、中島さんはなんか…こう、格闘技って感じしないキャラじゃないか?」
「確かに、どちらかと言うと…華道とかが似合うよな」
「何を言ってるんですか、空手で鍛えれば心身が強くなって良いことづくしですよ?」
「いや、うん、体を鍛えるのもオレは賛成だ、けどな~」
「なんです?」
「いや、中島さんが殴る蹴るってイメージが、全く湧かないんだよね」
活発な高橋さんはともかく、落ち着いた雰囲気の中島さんが、気合いの雄叫びをあげつつ、正拳突きやら何やらで、相手を殴りつけて倒す姿がオレには結び付かない。
「うーん…球技とかと違って、多少だけど興味があるわ、基本くらいなら教えてもらいたいかしら」
「本当ですか?なら、私が教えてあげますよ」
「しかし高橋、人に教えるなら、それなりの段位が無いとダメなんじゃないか?」
と、小牧圭介。
「段位ですか、確かに師範代になるに必要な、四段には届いてませんからね」
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