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幸いにも糊付けはされてなかった、もし完全に封をされていたら、これは盗むか諦めるかの二択しかなくなる。
なるべくそっと中身を床にだして見た、ライターの明かりで見ると、それは写真。
「おいおい、まさか…この学校の女子の写真かよ」
おそらくは盗撮だろうが、どう撮影したのか良く分からない、しかし制服からして学校の女生徒である事に違いない。
「あの変態野郎め、これは2~3枚は持って行って警察に送りつけてやる」
匿名希望だろうが、警察に送れば簡単に学校を突き止めてくれるだろう。
にしても、こんな女生徒たちの写真を封筒に入れて隠し持っているなら、高橋さんの姉さんに何かしていても、全く不思議ではない。
オレは手早く写真を見て行くと、髪型は全く違うが高橋さんと顔が瓜二つの女生徒の写真を見つけた。
「これは…この人が高橋さんの姉さんか?」
とりあえず、オレはその写真と他の数枚の写真をポケットに入れて、残りは封筒に戻した。
あまり時間はかけられない、先ほどの青山の態度からして、真面目に見回りをするとは思えない、適当に校内を一回りしたら戻ってくる可能性がある。
オレは使っていたライターを、先ほどと同じ場所に戻し、竹刀を手に持って宿直室を出る。
もちろん、廊下に誰も居ないのを確認してからだ、青山に見つかれば厄介な事になるのは明白。
とりあえず、オレは職員室に向かうべく、二階に続く階段へ歩き出した、静かな校内では足音が響きやすいが、侵入した教室の窓際に靴を脱いで来たおかげで足音は響かない、靴下なんで廊下の冷たさが足の裏に染み込むが、そんなのは大した問題でもない。
そうして移動していると、暗い廊下の向こうで何か動いた気がした。
「!?」
オレは移動を止めて、息を潜める、もしかしたら青山か?
技術室や理科室などの教室が並んでいるが、鍵で施錠され中に入り、隠れる事は出来ない。
「………」
オレは相手が青山ならば、竹刀で叩きのめす覚悟を決めた、小牧や中島を置いて逃げるのは主義に反する。
リスクは低くは無いが、不意打ちならオレ程度の腕でも、1人くらいなら何とかなる。
オレは袋の先の紐を解いて、中の竹刀を露わにし、柄を握り締めた。
だが、あくまでも相手を確認してからだ、小牧や中島を竹刀でぶっ叩いたら洒落にならない。
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