鏡への“ゲート”

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「顔は瓜二つだけど、そうね…その可能性は高いわね」 「だろ?この写真を匿名希望で警察に送れば、制服からすぐにウチの学校だと分かる筈だ」 「そうね、それは良いと思うわ、女生徒の写真を隠し撮りして持ってるなんて、それだけで犯罪だし、高島さんのお姉さんが行方不明になった事にも、関係あると私も思う」 「ああ、ただ、このメモ帳に書かれてんのが、意味がイマイチ分かんないけどな」 「見せて」 谷口は中島に千切り取ってきたメモ帳の紙を見せた。 「…………」 「中島、何か分かるのかコレ?」 「いえ、私にも見当がつかないわ」 このメモ帳に書かれた一文で、中島は一部の確信を得た、青山が何らかの悪霊か魔と手を組むなりしている事を、偶然だろうが谷口がこれを持ってきてくれたのは、非常に幸運だった。 問題はやはり相手がどんな悪霊か…だ、青山が女生徒を拉致するのを、悪霊に手伝わせているとして、そこから単純に考えるなら、魔に変貌した色情霊や淫魔の類か…、どちらにしても厄介そうな相手だと、中島は内心で舌打ちをした。 しかし、となると青山をすぐさま警察に渡すような真似をして良いのだろうか? 即決せずに青山を泳がせておき、手を組んだ悪霊が現れるのを待つ、と言うのも悪い手ではない。 早期に次の被害者が出るかもしれないから、あまり気は進まないのだが、根本的な解決を狙うなら、それもアリだ。 とは言っても、咄嗟に谷口に青山が持っていた写真やメモ帳を、警察に渡さない理由も思いつかなかった。 「そうか、とにかく証拠になりそうなものは押さえた、小牧を迎えに行って、早く帰ろう」 「小牧君はどこに?」 「職員室だ、一応念のために見に行くって言ってさ」 「そう、なら早く迎えに行きましょう、青山は…見回り中なんでしょう?」 「ああ、おそらくな」 もし小牧が見付かれば、言うまでもなく面倒な事になる、まして職員室にまで、何らかの犯罪の証拠となるモノを置いていて、小牧が発見したのを青山が知れば、もしかしたら悪霊や魔をけしかける危険性もある。 もし人外の存在を間近に見たら、あまりの恐怖に正気を失いかねない、自分はもちろん…いや、怖い事には違いないが、師匠と一緒に戦った経験があるから、何とか耐えられるが、谷口や小牧はどうなるか分からない。
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